エンジニア対談 開発組織の魅力”熱量と冷静さの共存”とは?
「ニーリーの開発組織で働く魅力」の記事でもお話しているように、エンジニア全員が集まってニーリーの開発組織の魅力を言語化するワークを行い、3つのキーワードを設定しました。
熱量と冷静さの共存
issueドリブンな開発
ロールを自ら進化させていく集団
今回はまず、「熱量と冷静さの共存」について、実際の言語化プロセスにも参加された菊地さんと上田さんに、どのようなシーンでこの魅力を感じるのかを具体的な体験も交えてお話しいただきました。
■今回の対談者のプロフィール
株式会社ニーリー プロダクト開発本部 プラットフォーム開発グループ SREチーム/QAチームリーダー
菊地 弘晃 Hiroaki Kikuchi
2017年、DMM.comに新卒入社。動画配信事業部にてVR動画、4K動画のローンチに携わるほか、動画分散エンコードシステムの開発、動画プレイヤーのUI/UX改善などを担当。2021年11月に株式会社ニーリーにジョイン。Park Direct開発部SREチーム/QAチームのリーダーとして従事。
株式会社ニーリー プロダクト開発本部 プラットフォーム開発グループ
上田 健太郎 Kentaro Ueda
2017年にECサイト運営企業に新卒入社。複数の事業部を対象に、データ分析・データ分析基盤の整備に2年間従事。2019年からECサイトの開発チームに異動し、WEBアプリケーションおよびAPIのオンプレ→クラウド移行・リアーキテクチャ・データ分析に3年間従事。2022年8月に株式会社ニーリーに入社。写真は所属するSREチームの開発合宿にて撮影。
――まずは簡単にお二人の自己紹介をお願いします。
上田:
モビリティSaaS「Park Direct(パークダイレクト)」のSREチームおよびマーケティングチームでエンジニアを担当している、上田健太郎(うえだけんたろう)です。ニーリーには2022年8月に入社しました。SREチームでは主にリリースエンジニアリング (リリース作業やCI/CDの改善)、マーケティングチームでは主にデータ分析業務に従事しています。
(※上田さんの入社エントリ記事はこちら)
菊地:
同じく、SREチームとQAチームでチームリーダーをやっている、菊地弘晃(きくちひろあき)です。入社は2021年11月です。上田さんとはSREチームの方で一緒に働いています。SREで最近やった大きな仕事の1つがデプロイ頻度の向上施策なんですが、これを担当していたのが上田さんで、デプロイ頻度が去年から実に5〜6倍に向上したという、非常に大きな成果が得られました。本人の代わりにドヤりました(笑)QAは今年の2月にチームを立ち上げて、まだまだこれからといったところですが、四苦八苦しながらも少しずつ前に進んでいます。
(※菊地さんのインタビュー記事はこちら)
■開発組織の魅力言語化の背景と経緯
――前回の記事でも、開発組織の魅力を言語化した背景と経緯について語られていましたが、お二人にはどんな形で依頼がきたのでしょうか?
菊地:
僕たちがこの話を最初に聞いたのは、「採用広報活動を強化していきたいので、開発組織の魅力についてヒアリングさせて」とCHROの高橋さんからSlackでのメッセージですね。実際はそんな雑なお願いではなく、具体的にこういうステップで採用広報に活かしたいという説明がセットでしたが(笑)
自分は入社直後から採用にはそれなりに関わらせてもらっていて、採用広報の課題感をなんとなく把握していたのですが、他のエンジニアにとってはいきなりヒアリングのミーティングが組まれて寝耳に水だったかもしれません。
上田:
そうですね、インタビュアーが初対面の方だったのですが、初対面の方と話す内容にしては濃かったかもしれません(笑)
事前にもらった想定質問はこんな感じでした。
その後、全員のヒアリング内容をもとに人事のメンバーが分かりやすい3つのキーワードにまとめてくれて、それに対してさらにエンジニアからそれぞれのキーワードを表す具体例を発表し、それをもとに議論を進めていきました。
そういえば、最初に草案として作ってくれた3つのキーワードのうち、そのまま残ったのは「熱量と冷静さの共存」だけですね。
菊地:
確かにそうですね。自分はこの言葉はかなりしっくりきて、全員での議論の場でも、これめっちゃいいですね!と言ったことを覚えています。自分がなぜニーリーに入ったのかと聞かれたときに、選考で話した全メンバーから自信が感じられた一方で事業や自分たちのことが客観視できている印象を受けた、という点を一番最初に挙げるんですが、いま振り返るとこれがまさに「熱量と冷静さの共存」だったんだと思います。
自分はもともとスタートアップ企業に対して少し抵抗があったというか、言い方が難しいので誤解しないでほしいのですが、目指すところが高すぎるというか、地に足がついていないというか・・・(笑) そういう雰囲気が自分には合わないな、と感じていました。
選考を受ける中でエンジニアのメンバーから経営陣まで話す機会がありましたが、ニーリーにそういう印象を受けたことは本当になかったですね。全社員が当時30人ほどだったのに全くスタートアップっぽくない、変わった会社だなと感じました。
これはCTOの三宅さんから聞いたんですが、「スタートアップっぽくない」というのは社外の方から言われることも多いとのことです。
■”熱量と冷静さの共存”を表すエピソード
――議論の場ではエンジニアのみなさんから具体例を発表したということでしたが、実際にどんな具体例やエピソードがありましたか?
上田:
「なぜ熱量が高いか?」を掘り下げた際には、エピソードの一つとして、私はオファーレターを挙げました。オファーレターでは、「事業目標の達成に向けて、そのメンバーにどのような役割・アウトプットを期待しているか」が提示されます。その提示は具体的過ぎることがなく、ほどよく抽象的で、受け手は「確度が高いと感じられる、目標達成への貢献イメージ」を複数もつことができます。貢献イメージが定まっているので、入社の段階で熱量が上がっています。議論当時、私は入社から半年も経っていなかったので、特に強く感じていたことです。
菊地:
オファーレターの話は僕も上田さんの入社エントリで見ましたが、本当にいい話だなと思いました。自分はどちらかというと「会社なんて入ってみないと分からないでしょ」と思ってしまうタイプの人間なのですが、オファー時点で自分がどう活躍できるかのイメージが膨らむというのは素直に最高だなと。
他のエピソードとして、「プロダクトへの根拠のある自信」も挙がっていましたね。開発リーダー陣を中心に、メンバーの多くが各部署のKPIや競合サービスの動向をフォローしており、自社プロダクトとの比較ができている。比較ができるから、自社プロダクトの優位性と課題点を言語化でき、これが根拠のある自信につながる。そして根拠のある自信が「熱量」を上げている、と。
上田:
同感です。
プロダクトのKPIに関しては、「なぜ冷静さを保っているか?」を掘り下げた際にも挙がっていましたね。「事業KPI・意思決定の透明性が高く、皆が同じ方向を向いている」ということです。KPIは毎週、全体のSlackチャンネルで周知されています。単に週次の数値を示すだけでなく、トレンド・達成度・課題も併せて周知されています。
意思決定についても、データに基づき、かつメンバーへの共有と合意をもって決定されることが多い印象です。
これらの透明性の高さにより、皆が同じ方向を向くことができ、冷静さが強化されているのでは、という議論がありました。
菊地:
冷静さに関しては、さっきの「スタートアップっぽくない」という話に関係する例として、issueドリブンなアプローチが浸透しているというのもありましたね。これは「3つのキーワード」にも入っています。
各チームが、最も重要な課題、つまり事業の成長・目標の達成を頂点に、それを実現するために必要なタスクをツリー状に洗い出している。そのため、課題の解決に結びつかないタスクの発生が抑制されている。有限のリソースをそれらのタスクの実施に集中することができるので、冷静を保ているわけです。実際に、チーム内でバックログの棚卸しをしている際に「これは今じゃなくてもいいよね」という発言が頻繁にあります。リーダーだけではなくあらゆるメンバーから、です。
――熱量と冷静さの「共存」に着目した具体例、エピソードはありますか?
上田:
僕は、SREチームが昨年実施したバックエンドのインフラリアーキテクチャを例に挙げました。この案件は、単に「アーキテクチャが古くてイケてないからリアーキテクチャしよう」という動機で挙げたものではなく、「モビリティSaaSのプラットフォームとして新たな提供価値の拡大を目指す」という事業目標の達成のために挙げたものです。「新たな提供価値を拡大させるためには、今よりも十分なスケーリング能力を備えつつ構築・運用コストが低いアーキテクチャが必要、だからリアーキテクチャする」という動機です。
菊地さんが先ほど挙げた「issueドリブンなアプローチ」のより具体的な例でもありますね。動機が事業目標と直結しているため、SREチームは皆が同じ方向を見て、高い熱量でリアーキテクチャに取り組むことができました。
一方で、冷静さも失っていませんでした。それは、技術選定の際に表れていたと思います。技術的な挑戦を志向すれば、Kubernetes (Amazon EKS) という選択があり得ましたが、「十分なスケーリング能力を備えつつ構築・運用コストが低いアーキテクチャ」という点を重視し、ECS on Fargateを選択しました。また、それによって生まれた余力は、「新たな価値提供 (≒リリース) の拡大」の実現のために、CI/CDの改善・IaC化に充てることとしました。
菊地:
今振り返ってみても、k8sやってみよう!とならなくて本当によかったと思いますね(笑)技術選定はもちろんですが、開発スコープを決める際も幾度となく冷静な判断をしました。DBは急いでIaC化するメリットがないから終わってからゆっくりやろうとか、後回しでいいものはじゃんじゃん後回しにしました。その代わりに後回しにしたタスクは期間を決めてやりきる、という感じで。SREチームにはCode of Conductが定められているのですが、そこに「やりすぎない」という項目があります。これはつまり、エンジニアの理想を追ってtoo muchな開発をしてはならないということです。
たまたま我々がSREチームだったのでSREの話をしてしまいましたが、他の開発チームでも「熱量と冷静さが共存した」議論が日々行われていると思います。もちろん開発以外でも!本当にそういう会社なんです。
――ありがとうございました。最後に、この記事を読んでいただいた方へメッセージをお願いします。
上田:
ニーリーの開発組織は、目標達成への熱さと、それをロジカルに達成していく冷静さを併せもっています。従来の型に当てはまらない、稀有なスタートアップだと思います。
ご興味をもっていただいた方は、ぜひカジュアル面談しましょう!
菊地:
これからニーリーは事業的にもエンジニアリング的にもますます面白いフェーズに入っていきます。ぜひ飛び込んで、一緒に働きましょう!
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