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駐車場ビジネスはなぜ面白いのか?~マーケットの魅力とニーリーの目指す未来~

”Park Directがつくる社会の「選択肢」~ミッションである「社会の解像度を上げる」挑戦とは~” の記事では、ニーリーの「社会の解像度を上げる」というミッションについて、お話させていただきました。今回は、初見ではなかなか理解しづらいけれど、深く知れば知るほど面白いと感じていただける(であろう)駐車場マーケットの面白さやマーケットにおけるPark Directの存在価値、今後の構想などについて、お話してみたいと思います。

本noteでみなさんに持ち帰っていただきたいポイントは大きく3つです。

月極駐車場マーケットの魅力ポイント
①:ニッチでプレイヤーが少ないがマーケット規模が大きい
②:データの活用余地が非常に大きいにもかかわらずデジタル化が進んでいない
③:オフライン→オンライン化を進めていく先に新しい事業の可能性が幅広くある

駐車場マーケットについて

まず「駐車場」と聞いた時に皆さんに馴染みがあって想起されるのは”コインパーキング”ではないでしょうか?実はコインパーキングは全国に約160万台存在して(※)いるのに対して、Park Directがターゲットとしている”月極駐車場”は約4,800万台(賃貸物件や分譲マンションに付帯している物件付随駐車場を含む)のマーケットが存在していると言われており、市場規模としては約3兆円もある巨大なマーケットになっています。

(※)出典:一般社団法人日本パーキングビジネス協会

月極駐車場探しのユーザー体験

月極駐車場を借りたことがない方が多いかもしれませんが、駐車場探しのUXはまだまだかなりアナログなものになっています。

イメージしていただくために、一部抜粋して(本当はもっと色々あるのですが簡易化しています)みると、以下のようなUXになっています。

”探す”
駐車場探しの基本は自ら歩いて看板を見つけるところから始まります。そのため、歩いて見つけられなかった駐車場は、選択肢になりません。

”検討する”
駐車場のフェンスや柵にかかっている看板に記載の電話番号に電話をして、賃料や敷金礼金、いま現在契約が可能か?を確認します。かけてみたものの満車になっていて契約できないケースや、思っていたよりも賃料が高かった、いま乗っている車だとサイズがあわず停められないなどが発覚し、断念することも多々あります。

”契約する”
契約条件などに合意できた場合、不動産会社に出向きます。契約は書類をベースに行うため印鑑や必要書類を事前にコピーした上で持参し、各種契約書の締結を行います。

不動産管理会社にとっての駐車場管理業務

世の中的なDX化の流れの中で、物件探しについては比較的DX化が進んでいる中、なぜ駐車場はなかなか進みづらいのか?それは駐車場の管理主体である不動産管理会社のビジネス構造にあります。ビジネス構造に触れる前に、月極駐車場を取り巻く業界構造について簡単に説明します。(既にご存じの方は飛ばしていただいて大丈夫です)


不動産業界では①オーナーと呼ばれる方々がいて、土地を持っており、土地を収益化する手段として賃貸アパートを建てて貸し出したり、駐車場を作って貸し出したりして収益を得ています。我々のクライアントである②不動産管理会社はこの①オーナーから物件や駐車場の管理の委託を受けているプレイヤーになります。不動産管理会社は預かっている物件や駐車場を管理しており、③借主(=駐車場を借りる人)から管理費という形で収益を得ています。


DX化が進みづらい理由は、不動産管理会社にとって、月極駐車場の優先順位が非常に低くなってしまう構造にあるからです。

不動産管理会社のメインビジネスは賃貸物件の管理業務と駐車場の管理業務で構成されます。賃貸物件の管理から得られる収益に対して、駐車場から得られる収益は、エリアにもよりますがおおよそ1/10程度である一方で、契約や管理など、裏側でかかる業務工数的には賃貸物件も駐車場もそれほど変わらないという実態があります。その状況を踏まえると、賃貸物件>>>駐車場という優先度にならざるを得ず、前述したようなUXだったとしてもあえてパワーをかけて変えていこうというモチベーションが生まれません。

一方で、放っておいていいものかというとそうではありません。なぜかというと不動産管理会社のクライアントであるオーナーの存在があるからです。基本的にオーナーは物件と駐車場の両方を保有しているケースが多く、駐車場だけ管理がきちんとされていないとなると、「この会社に自分の大事な資産(物件・駐車場)を任せられないな」となってしまいます。その結果として、万が一オーナーが不動産管理会社をかえる、ということが起きてしまうと、その不動産管理会社のメインの収益が毀損してしまうため、それは絶対避けたいと考えています。

まとめると、不動産管理会社にとっては駐車場は、「収益性は低いが工数がかかる、ただ、オーナーさんのことを考えると放っておくこともできない」ものとなっており、「管理の質を下げずに業務効率化できること」に対して非常に価値を感じて頂きやすい構造にあります。

Park Directの提供価値

Park Directは管理業務の効率化という点において価値を提供しているのですが、その際のキーワードは”一気通貫していること”だと考えています。賃貸領域においては集客・契約・決済・管理においてそれぞれサービスを提供している会社が独立して存在している一方で、駐車場管理においてはフローの一部だけに介在しても「かえって効率が下がる」「そこ単体で予算をかけたくない」、なので一気通貫して効率化してくれるサービスを使いたいという顧客ニーズがあると考えています。

Park Directは駐車場の集客・契約・決済・管理を一気通貫で提供するSaaSを提供しており、不動産管理会社は「面倒だけど儲からない」駐車場の管理を一気通貫して効率化することができます。

こちらでまとめているのがPark Direct導入前と後のユーザー体験の違いです。導入によってユーザーの体験が大幅に改善されていることがわかると思いますが、それと同時に不動産管理会社の業務にかかる工数も大幅に削減できており、駐車場管理にかかる業務全体の92%の業務工数を削減(※)することができています。

(※)クライアントインタビューによる自社調べ

ここまで月極駐車場マーケットにおけるユーザー体験や、それが何に起因しているのかという構造について、また、その問題に対してPark Directがどのような価値を提供しているのかについて触れました。ここからは、一段抽象的な話になります。

「日本で最も駐車場データを保有する会社」になることの意義
改めてになりますが、みなさんもこれを読んでいただく前は「駐車場関連の事業って何やってるの?」と思っていたとおもいますが、これだけニッチな業界な一方でマーケット規模としては非常に大きいというのは珍しい業界なんじゃないかと思っています。

”全てオンライン化することへのこだわり”
さて、前段で「ユーザー体験を大幅に改善している」という話をしましたが、話はそう簡単ではありません。ユーザーがPark Directで駐車場を検索してオンラインで契約が完結できるようになるまでには、不動産管理会社が紙で持っている情報をオンラインのデータ化するという非常に大変な過程があります。不動産管理会社は添付のような管理シートを使って駐車場の在庫や契約の状況を紙ベースで管理しているケースが多いです。

月極駐車場管理シート(※クライアント利用のものを参考に作成)

見ていただければわかるとおもいますが、到底OCR(書かれている文字を認識してデジタル化する技術)などで簡単にデータを構造化できるものではないです。もちろん管理システムを活用してデータを保有されているクライアントもいらっしゃいますが、システム自体も駐車場に最適化されたものではないので、別途必要な情報を追加したり、整形しなおす必要があります。月極駐車場関連のサービスを展開している会社もいくつかありますが、全ての駐車場に対して「オンラインで契約が完結すること」にこだわっている我々だからこそ、整形された正しいデータを集めることにこだわり抜いています。また、この月極駐車場マーケットにおいてオフラインに眠っている価値のある情報をオンラインデータ化するプロセスこそがPark Directの組織が有する唯一無二のケイパビリティだと捉えており、これ自体がMoat(参入障壁)になりうるものだと考えています。

”駐車場データの可能性”

現状世の中にきれいな駐車場データが存在していない一方、このデータにつ
いては活用の余地が非常に大きい領域だと考えています。例えば今後、自動運転が普及し始めていくとどこの拠点からどこの拠点に移動するのかというFrom-Toの起点となる情報になりますし、そこを押さえていることで人々の移動データが蓄積されていくことになります。駐車場=単なる車を駐める場所、という捉え方ではなく、駐車場=あらゆるモビリティサービスの起点になる、ということだと捉えています。

Park Directの未来

〜蓄積されたデータを活用したモビリティSaaSへの展開〜

現在我々が行っている活動は、単なる駐車場管理を楽にするSaaSを提供しているということではなく、世の中に眠っている価値の高い情報をオンラインデータ化し、利用可能な形でオープンにしている活動だと考えています。

我々は日々のPark Direct事業の推進を通じて具体的にどんなデータを蓄積しているのかというと、
①:駐車場の拠点データ
②:モビリティ関連データ(自動車ユーザーデータ等)
を蓄積しています。(これらは事業が拡大すればするほどデータ量も拡大していきます)

これらのデータを活用したモビリティSaaS領域への事業展開を構想しています。

■EV充電インフラ事業の模索

昨今ESGの文脈でも注目されているEVですが、日本におけるEV普及における最大のボトルネックが充電インフラの普及がされていないことです。我々もユーザーインタビューなどを実施していますが、月極駐車場にEV充電器が普及していないことがEV普及におけるネックになっています。

じゃあなぜなかなか進まないのかというと、一つ目の理由は「どこに設置したらいいのかわからない」ということです。前述の通り、どこに駐車場があるのかというデータがないため、設置検討が進みません。もう一つの理由は「ニーズがわからない」ことです。どこの地域にどれくらいのEVユーザーがいるのかわからないため、設置の検討が同じく進まないという問題があります。
これらの問題に対して、Park Directが保有するデータによって、どこに月極駐車場が存在しているかがわかること、またEVをすでに保有している人やこれから買いたいと思っている人がどれくらいいるのかのニーズを把握することができるため、他のEVインフラ事業者よりもリスクを低減させた形でインフラ整備を行うことができるというメリットがあります。

■モビリティプラットフォームへの展開

現在自動車ユーザーが利用するサービスには様々なものがありますが、各サービスごとに提供している事業者が異なっており、ユーザーにとっては不便な状態があると考えています。我々がサービスを提供しているユーザーは当たり前ですが全ユーザーが自動車ユーザーであり、モビリティに関連するさまざまなサービスを展開できる可能性を秘めています。(海外ではモビリティコマースと呼ばれ、Metropolis Technologiesが大型の資金調達をしています)

また、Amazonが音楽サービスを展開しているように、シンプルに多くのユーザーに使ってもらえているサービスは、それを起点に様々なサービスを展開することができ、その可能性も含めて将来的には検討していこうと考えています。

最後に

おさらいにはなりますが、以下3つの観点でPark Direct事業の面白さがあると感じています。

月極駐車場マーケットの魅力ポイント
①:ニッチでプレイヤーが少ないがマーケット規模が大きい
②:データの活用余地が非常に大きいにもかかわらずデジタル化が進んでいない
③:オフライン→オンライン化を進めていく先に新しい事業の可能性が幅広くある

Vertical SaaS(業界特化型SaaS)の面白さは徐々に理解されつつあるとは思いますがまだまだHorizontalの領域と比較するととっつきにくさがあると思います。しかし実際にニーリーに入社してくれているメンバーも、「業界を知れば知るほど面白い」「まだまだ業界のためにできることがあるぞ」と感じ、日々さまざまな改善や提供価値の拡大に取り組んでくれています。この記事をきっかけに少しでもニーリーの事業の面白さを感じてもらえれば嬉しいです。


ニーリーでは、事業拡大に伴う組織強化のため、エンジニアやコーポレート部門をはじめとする多様な職種で⼈材を募集しております。詳しくは、採用特設サイトをご覧ください。

採用特設サイト:https://jobs.nealle.com/


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