Park Directが目指すクライアントサクセスとは~5つのグループの役割と大事にしたい組織のビジョン~
こんにちは。ニーリーの小川洋子です。
現在はPark Direct(パークダイレクト)のクライアントサクセス本部執行役員をさせていただいています。
今回は、Park Directのクライアントサクセスが不動産管理会社様にとって、どんな価値を提供している組織なのか、各グループの役割や目的と、目指しているサクセスは何かということを改めてお話してみたいと思います。
(前回のインタビュー記事はこちら:https://note.nealle.com/n/nea389f8ae0db)
1、Park Directのクライアントサクセスの役割
カスタマーサクセスの記事では、カスタマー=駐車場の借主様についてご説明していますが、Park Directにとってのもう一つのお客様であるクライアント=不動産管理会社様に向き合っている部署がクライアントサクセスです。Park Directは、クライアントが管理している月極駐車場のデータをオンライン化することで在庫情報を見える化し、カスタマーである借主様(駐車場を探している人)が契約をするB to B to Cのビジネスモデルになっています。オンラインで駐車場を検索、契約できるようにするためにはまず駐車場情報をクライアントに掲載していただく必要があります。フィールドセールスの提案によって管理会社様がPark Directを新規でお申し込みいただいた後、駐車場の掲載開始からサービスの活用フェーズ以降のすべてにおいて、継続的に関わっていくのがクライアントサクセスです。
2、クライアントにとっての“サクセス”とは
クライアントにとって家を貸す契約も駐車場を貸す契約も、基本的に業務負荷は同じなんです。一方で売上の観点でいうと物件管理の方が圧倒的に大きく、どうしても月極駐車場管理の優先度が上げづらい構造になっています。
クライアントにとっての”サクセス”とは何かというと、Park Directを活用して煩雑な駐車場管理業務の負荷を90%以上削減し、削減することによってできた時間で新たな価値創出の機会を作っていただくことだと思っています。そのためにクライアントサクセスが目指すのは「すべての月極駐車場をPark Directで管理していただき、クライアントご自身がPark Directを使いこなせている状態。」です。
3、クライアントのサクセスを目指す組織体制
クライアントサクセス本部では目的やフェーズごとに5つのグループを設定し、総勢60名ほどが在籍しています。
オンボーディンググループの役割
新規でお申し込みをいただいた後、セールス部門からバトンを受けとるのがオンボーディンググループです。クライアントにいただいた駐車場データをPark Directのサイト上に公開するまでの一連の業務を担当します。月極駐車場を探しているユーザー(借主様)がPark Directのサイト上でMapを見た時にどれだけピンが立つか=どれだけ駐車場の在庫を公開できているかが大切です。クライアントにとってもPark Directの導入により、今まで空いていた駐車場に新たな契約が付くことは収益化に繋がるので、この“公開台数”をオンボーディンググループのKPIとして日々追いかけています。
オンボーディンググループの役割は駐車場データを登録してサイト上に公開するというシンプルなことに思われるかもしれませんが、非常に難易度の高い業務を行っています。
難易度が高くなる理由は、大きく二つあると整理しています。
①:クライアント業務フローを根本から変える必要があること
②:決裁者とPark Directを利用する担当者が異なること
です。
①:クライアント業務フローを根本から変える必要があること
Park Directは駐車場管理にまつわる業務を一気通貫して丸投げできるサービスであるが故に、クライアントの業務フローを根本から変えていく必要があります。また、単にシステムを導入し、業務フローを変えればよいというだけでなく、担当者や会社組織全体で”今まで慣れた文化と行動”を変えていただく必要があるため、オンボーディングの難易度をあげる要因となっています。
②:決裁者とPark Directを利用する担当者が異なること
決裁者が多くの場合は社長や経営層である一方、Park Directを実際に活用いただく現場担当者の方に動いていただかなければならないことです。つまり、決裁者に対して経営目線でのメリットをご理解いただくだけではなく、システム導入による「担当者にとってのメリットは何か」をご理解いただいたうえで、動いていただく必要があります。どうしたら気持ちよく能動的に動いていただけるのか、クライアントの組織構造の理解や担当者自身が今どういうミッションを抱えていて、何を大事にしていて、何に困ってる人なのかなど、クライアント社内やそれぞれの担当者ごとの解像度を上げた上で、人・組織を動かす力が必要になります。
加えて、駐車場管理業務は担当者が拠点ごとに分かれていることもあるため、コミュニケーションを密に取り駐車場の公開へと導いていくという、難しくもやりがいのある役割を担っています。
クライアントサクセス推進グループの役割
Park Directの導入以前に既に契約済みの駐車場管理も、Park Directへ切り替えましょうと提案するのが、クライアントサクセス推進グループの役割です。
例えば”A不動産様”が100台の駐車場を管理している場合に、今空いている20台はPark Directを使って新規で募集するけれど、既に埋まっている80台は今まで通りの管理方法を継続するという場合も少なくありません。20台分の業務が楽になったとしても、従来の管理方法の80台分は変わらないので、二重対応で余計に忙しくなってしまうケースも考えられます。そこで「既存契約分もPark Directで管理しましょう」と提案していきます。
A不動産様の全駐車場をPark Directで管理させていただくと、借主様からのお問い合わせがあった場合に、クライアント側に駐車場の詳細を確認をしなくてもPark Direct上に情報があるため、我々で対応が完結できるようになります。クライアントのサクセスを考えると、この問い合わせ対応のように、大切だけれども手間のかかる業務をPark Directに任せて効率化して、本来もっと時間を割きたい業務を優先していただきたい。そのためには全ての駐車場をPark Directで管理いただいていることがとても重要なんです。
クライアント側からすると、今既にご契約済みの借主様やオーナー様に「今までの管理方法から切り替わります」というご案内をお一人お一人にしなければならないため、一筋縄ではいきません。確かに今この切り替えの瞬間は大変かもしれないけれど、将来の事を考えたらPark Directを使った一括管理の方が必ずクライアントのためになるということ、そして借主様にとっても価値をご提供できることをきちんとお伝えして、心理的ハードルを打開し切り替えを進めていくことがクライアントサクセス推進グループに求められます。
ビジネスオペレーショングループの役割
クライアントサクセス推進グループがクライアントから既存契約者様の管理切り替えを合意いただけた後に、クライアントに代わって既にご契約いただいている借主様にご案内を差し上げています。ご案内をして終わりではなく、その後の手続きのフォローをしながら実際の契約付けを行っており、その一連の工程を担当しているのがビジネスオペレーショングループ、通称“BizOps(ビズオプ)”です。
まず、クライアントから切り替えを依頼された駐車場の区画数分、クライアントの代理でご契約中の借主様宛にPark Directへの切り替えのご案内を郵送でお送りしています。既に契約いただいている借主様の駐車場利用は継続しているので、スケジュール通りにスムーズに管理の切り替えを完了しなければなりません。借主様お一人お一人にお電話を差し上げて、手続きを促すという取り組みも合わせて行っています。遅れの許されない膨大な数の郵送業務や契約切り替え作業を、いかに“ミスなく滞りなく”スピーディーに進めるかが、ビズオプグループのミッションです。
クライアントサクセス企画グループの役割
クライアントサクセス全体のアジェンダの中で、基盤となるものを支えている組織で、全組織を横串で見て、5つのグループの取り組みがPark Direct全体の事業戦略やKPIに、きちんとヒットしているのかどうか、冷静な視点でPDCAを回していくのがクライアントサクセス企画グループです。
ものすごいスピードで状況が変化していく環境の中で、常に大局を見ながらしびれる判断をする機会が、毎日あります。
具体的にはPark Direct全体の事業戦略から落とし込んだ、クライアントサクセスとしてのKPI設定、戦術策定、部内の各グループを横断した企画立案だけでなく、クライアントサクセス部を超えて他部署と連携した企画を推進するHUBとなることもあります。
KPIに対してこれをやればヒットするとなった場合、梃子の力点がどこにあるのか探る必要があります。その力点がどこにあるのか、どうしたら効果的に動かせるのか、どうやったら実現するのか構造的に把握して取り組んでいく組織です。
クライアントサクセスセンターグループの役割
一言でいうと、クライアントのサクセスのために、Park Directをとことんご活用いただくための組織です。この組織は、いよいよクライアントのサクセスを本気で目指していく、という覚悟をもって立ち上げました。
悔しい部分ではあるのですが、正直に言って現状ではまだまだクライアントのサクセスのためにできていないことも多いです。理想とするスピード感・クオリティで対応を可能にするために、クライアントからのご質問やご相談など受動的な対応は当たり前のレベルを上げていきたい。そして、クライアントとの能動的な接点づくりもしていきたいと思っています。
例えば、毎週アップデートされる新機能について、本来であればリリースされたタイミングで「こんな便利な新しい機能ができましたよ!」とクライアントにはすぐにお伝えしたいですよね。しかし今までは他にも優先すべき提案やお願いごとが多数あり、こういった定期的なコミュニケーションの優先度を上げることができませんでした。
私たちにとっては当たり前のことでも、クライアントにとっては非常に有益で優先度が高い情報だということはたくさんあると思っています。クライアントそれぞれ状況は違いますが、丁寧に相手の状況を把握して今必要だと思う・役に立つと思う情報を継続的にお伝えしていく体制を作っていこうと思っています。
より能動的な働きかけの例として、空車が続いている区画に対して、マーケティング部と協業して「こういう企画で集客しませんか」という提案をしたり、今はまだないけれどあった方が良いと思うことがあれば、どんどん企画をしていく組織にしたいと思っています。「こんなことまでやってくれるの?」という感動体験をしていただき、クライアントにPark Directの活用率を上げていただきたい。そのためにとことんクライアントに向き合う組織を目指そうと思っています。
ここまで、5つのグループの役割をお話してきました。
各グループがそれぞれの役割の中で目指しているのは、クライアントにとってのサクセスと、その先の未来です。
クライアントにとっては、最初は100台のうち20台しかPark Directで管理していなかったけれど、今は100台全部管理していただけているとなって初めて、クライアントにとっては、「Park Directを導入して管理業務負荷が削減できている」という状態になり、新たな価値創出の機会を作れるようになります。
さらに、全ての駐車場データをPark Directで管理できるようになったら、大げさではなく社会を変えられると思っています。日本には約3,000万台の月極駐車場があると言われていますが、今までは個別の企業で紙などのオフライン手法で管理されていた日本中の駐車場情報が、全てデータ化されてモビリティ業界で活用できるようになる。モビリティ業界や自動車に関わる社会全体に対する社会的意義という観点でも、大きな意味を持っているんです。
4、クライアントサクセスのメンバーに期待すること
わたしは、こんなに深くクライアントのサクセスを目指すSaaSは唯一無二だという想いで、日本一のクライアントサクセスを目指しています。例えばジェイエーアメニティハウス様の事例のように、業務負荷が減ったことにより、クライアントが本来やりたかった業務に時間を使えるようになった結果、事業や売上が拡大した、新しい事業を作ることができた、などPark Directというサービスを超えてクライアントがより発展するお手伝ができる、こんなに面白いサクセスができる組織は他にはないと思います。
そんな、日本一のクライアントサクセスを実現するためには「各メンバーのオーナーシップの強さ」が重要です。
ご紹介した5つのグループの中でもさらに役割は細分化されており、メンバーの向き合う業務や対応内容は様々です。それでも全員が共通して持っているのは「Park Directを最高なサービスにしたい」という想いであり、志です。
だからこそわたしがメンバー全員にメッセージし続けたいのは、「自分が今向き合ってる業務の解像度が一番高いのは自分である」という意識とプライドをもって、より良くしていくための最善策を、自分の頭で常に考え続けて欲しいということです。
「誰かがやってくれるだろう」とか「言われたからやろう」ではなく、「なぜ今この業務をするのか」「この業務がどんなクライアントのサクセスにつながるのか」自分の頭で理解し、納得して「誰よりも悩んで考え抜いた」と思える改善提案を主体的に発信して欲しいし、積極的に受け入れる組織でありたい、そして意見をどんどん引き出せる環境を作りたいと思っています。
Park Directを通して社会を変える、日本を代表するサービスをつくる!という壮大な目標を掲げている以上、そのサービスを支えるニーリーの各個人の成長が必要になってきます。スピード感をもって進化していくためにも、自分の目の前の仕事や発生事象に「オーナーシップ」をもって、考えることから逃げないということを当たり前にできる人たちばかりの組織でありたいと思っています。
「Park Directでクライアントサクセスやってたの?!」と、いつかここで働いていたこと自体がブランドになっていくような、本気でサクセスをやる組織をつくりたい。
そして何よりも一番は、プロダクトはもちろん「人」の進化で「Park Directを導入して本当によかった」とクライアントに心から思っていただけるサービスを目指していきます!
株式会社ニーリー クライアントサクセス本部 執行役員 小川洋子
2009年、株式会社リクルートに入社。SUUMO立ち上げ期の営業を担当し、入社1年目に全社表彰を受賞。以降、ロングテール/エンタープライズなど様々なクライアントを担当し、複数回の全社表彰を受賞。その後出産を経て、2013年にはリクルート初の時短営業社員として、全社ダイバーシティー施策のモデルとなる働き方を推進。2016年には、営業企画組織の立ち上げを牽引し、2018年、住宅事業における最大領域で営業GMに就任。2021年人事部に異動し、中途採用のアップデートを立案・実行。2022年、ニーリーに参画。
※この記事は、インタビュー内容をもとに一人称形式で編集したものです。