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デザインで事業のトップラインを上げる—ニーリーのデザイナーへの期待 ~一人目デザイナー×CTO対談~
ニーリーでは2023年12月に一人目デザイナーが入社してから1年間、デザインチームの土台づくりに注力してきました。「デザインで事業のトップラインを上げる」という役割が期待されるニーリーのデザインチームは、具体的にどのような動きをしてきたのでしょうか。
今回は一人目デザイナーとして入社した音部とCTOの三宅が、デザインチームのこれまでの取り組みや現状の課題、未来への展望など、ざっくばらんに語ります。
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株式会社ニーリー プロダクト統括本部 プラットフォーム本部 開発横断部 開発横断G DESIGNチーム 音部 拓海 Takumi Otobe
大学で情報学を学び、在学中の2018年頃からフロントエンドエンジニアとして働く。新卒で株式会社ゆめみにフロントエンドエンジニアとして入社。UIデザインを独学で学ぶ。ゆめみ内でデザインチームへ異動し、UIデザイナーとして働く。その後、ゆめみ内でデザインエンジニアチームを設立し、デザインエンジニアの在り方などを検討。
事業の可能性や働く人の魅力に惹かれて2023年にNealleに入社。一人目のデザイナー。
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株式会社ニーリー 執行役員 CTO
三宅克英 Katsuhide Miyake
2007年にシンプレクス株式会社に入社し、証券会社/FX会社向けのFXシステムやメガバンク向けのディーリングシステムやリスク管理システムの開発やPM担当。金融機関業務に関するシステムに精通し、2016年にはシンプレクス新卒最速でプリンシパルに就任。2017年にニーリーの参画。CTOを担当しつつ、toB/toCのカスタマーサクセス→BizOps→マーケティングの責任者と兼任。
デザイナー不在の4年間。CTOが感じていた苦労と課題
三宅:ニーリーでCTOをしている三宅です。開発だけではなくプロダクトマネジメントも担当しています。もっとデザインチームを強化していきたく、今日は色々とお話しできればと思っています。よろしくお願いします。
音部:今日はよろしくお願いします。ニーリーに一人目デザイナーとして入社した音部です。今はデザイナーをしていますが、前職ではデザインエンジニアとしてフロントエンド領域とデザイン領域の複合でどのような価値創造が出来るか等を検討、実践していました。
好きな食べ物はうどんとパフェです。
音部:早速ですが、僕が入社する前の4年間はずっとデザイナーが不在だったわけですよね。どのように業務を進めていたのですか?
三宅:めちゃくちゃ苦労した、というのが正直なところです(笑)。最初はお付き合いのあったフリーランスの方に支えていただいて、なんとかファーストリリースまでやりきりました。ありがたいことに2019年度グッドデザイン賞も受賞できて、苦労はありつつも、成果としては順調な滑り出しだったのではないかと思っています。その後はまた別のお付き合いのあったフリーランスの方々にローテーションで入っていただきながら繋いできた状態ですね。
音部:ずっと業務委託の方が支えてくださっていたんですね。社員のデザイナーがいなくて困ることはありませんでしたか?
三宅:先ほど「苦労はあった」と言いましたが、社員じゃないことが理由で困る場面はなかったかなと思います。エンジニア組織をはじめ、情報共有やチーム作りは雇用形態に関係なくみんなで一緒に進めていたので、雇用形態の違いで問題が発生したことはありませんでした。
ただ、助けていただいていた方々はみんなフル稼働ではなかったので、仕方ないのですが対応スピードや量が課題になるケースはありましたね。また、フル稼働じゃないとそもそもアサインにも影響してきます。なので、当時は本当に必要なことに絞って対応をしていくみたいな感じだったので、やりたいことどころか、やるべきことすらままならない状況でした。
例えば、エンジニアがよしなに画面を作る場面が増えたとかです。やむなしと判断はしてはいますが、最初はしっかりしていたデザインが徐々に崩れてしまったり、UI/UXが微妙な画面が作られてしまったりと後で課題を残すことになってしまいました。
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一人目デザイナーの採用に踏み切った理由
音部:僕が入社したのが2023年12月です。なぜこのタイミングで一人目デザイナーを採用しようと思ったのですか?
三宅:必要最低限のことすら、やりきれない状態になっていたからです。リソース不足も理由の1つでしたが、単にリソースが足りないだけであれば、業務委託の人を増やせばよかったでしょう。でも今後は、もっと違う動きを期待したいと思い、一人目デザイナーを採用しようと決めました。
具体的には、「会社や事業の課題ややりたいこと」という、抽象度の高いアジェンダに対して自走して取り組んでくれる人が、自分以外に欲しかったんです。それはさすがに社員でなければ難しいのではないかと。
音部:Park Directは事業の特性上、ドメイン知識や業務フローが複雑ですよね。それをキャッチアップしながら最適なデザインに落とし込むのはなかなか難易度が高いと、僕もニーリーに入社してから実感しました。
三宅:まさにその通りで。だからこれまでも、過去にご一緒したことがある、信頼できるデザイナーさんにだけお仕事をお願いしていました。それでも、いま音部君にオーダーする内容よりも粒度を下げたものを依頼していたくらいです。それくらい、Park Directの事業内容をキャッチアップしてもらうのは簡単ではありません。これまで4年間デザイナーの採用が進まなかった理由の1つでもありますね。
音部:ありがたいことに僕を採用していただきましたが、そもそも一人目デザイナーの採用によってどんな変化を期待していたのでしょうか?
三宅:目先の課題の解決ももちろんですが、本当にやりたかったのはその先です。我々が挑戦していることは「駐車場を通じたモビリティユーザーの”新たな体験”をデザインすること」にほかなりません。それを実現するにあたってはまずデザインから事業のトップラインを上げることから始めていくことで、その先のデザインにつながると考えています。例えばデザインアップデートによって、Park Directを利用する体験がもっと良くなり、契約までのコンバージョンが上がって事業がもっと伸びる、みたいな話ですね。
また、プロダクトに限った話じゃないと思っています。たとえば営業の提案資料もデザイナーが入ることで、お客様に与える印象は絶対に変わりますし、それが成果にも繋がると思うんです。もっとデザインにパワーを使うことができれば、事業の伸びをさらに加速できるはずだと考えていました。
音部:いただいたオファーレターの内容も、今のお話に近かったですよね。
三宅:そうですね。あとは具体的な採用要件の話をすると、ハードスキルの面では、ドメイン知識を理解して、論理的に思考してデザインに落とし込む力を持っているかを重視していました。
その点で音部君は、元々フロントエンドエンジニアからキャリアをスタートさせているため、要求や要件を理解して設計、開発するという経験があります。その経験を通して論理的な思考力を備えていたし、フロントエンドエンジニアとデザイナーという経験を持っているから、隣接領域に染み出してスピード感を持って業務を進められる点も魅力だと感じました。まさに音部くんがDesignshipで登壇していた内容ですね。
「染み出す」というのはニーリーの開発組織が大事にしているスタンスで、自分の担当領域だけに閉じずに事業創造・グロースに強く貢献していく姿勢を指しています。
あとはソフトスキルとして、ニーリーのプロダクト組織へのカルチャーフィットも大事にしていました。あくまでデザインは事業を伸ばすための手段の1つでしかないので、事業を主語にして自分の専門領域で貢献できる人と一緒に働きたいと思っています。音部君はこうしたハードスキルもソフトスキルも持ち合わせた人だと感じたので、ぜひ一緒に働きたいと思ってオファーをしました。
入社1年目で直面した“ツギハギUI”問題
三宅:実際に入社してみて、ぶっちゃけどうでしたか?
音部:社員として入社する前から1年ほど副業で関わらせてもらっていましたが、そのときはPark Directに直接コミットする機会はあまりなく、CompanyDeckや営業やマーケの素材などのグラフィックデザインや新サイトデザイン案を作るのがメインでした。なので、Park Directの事業に関してはほぼ1からのキャッチアップで正直大変でした。
三宅:UIやデザイナーの体制に関してはどうですか?
音部:課題に感じる部分は色々とありましたね。まずUIに関しては、駐車場の借主さん(カスタマー)が使うサイトに関してはある程度まとまっていたんです。一方で管理会社さん(クライアント)が使う画面に関しては気になる部分が多くて。さきほど克英さんが話していたように、その時々でエンジニアがよしなにデザインを追加してくださっていたため、全体としてのまとまりが崩れてしまっていました。
この状態を僕は「ツギハギUI」と言っているんです。それぞれは良い機能なのに、都度つけ足していってしまっているために最終的にまとまりがない状態になっているのが課題だと感じましたね。
それに、これまでデザインシステムがなかったんです。まとまりを出すという意味でも、UIのデリバリー速度を上げるという意味でも、デザインシステムは重要だと考えています。そのため、デザインシステムの運用開始というのは入社後のとても大きな課題として認識していました。この点に関してはちょうど先日noteを書いたので、そちらをご覧いただければ嬉しいです。
デザインチームの体制に関しては、社内でほかの部署の人がデザイナーに依頼する際の窓口が整備されていない気になりました。おそらくデザイナーへの依頼の難易度が高いのだろうと思ったのと、周りのメンバーのデザインに対する解像度が高くないから、目の前の課題がデザインで解決できると気づいていないケースもあるのではないかと思って。だから表には出ていないけれど、デザインで解決できる課題が潜在的にはあるのかもしれないと考えたんです。
その課題をみつけるために、デザイナーができることを僕から周囲に伝えていく、そしてデザイナーが課題がある場所の業務を理解して、デザイナー自身が課題を発見する。この2つの必要性をすごく感じました。
最後は、アセット管理。今までいろいろな業務委託の方に支えてもらったおかげで、デザインの成果物は蓄積されていました。でもそれらが全然整理されていなかったんです。たとえばグラフィックだと、PDFデータしか残っていないために同じものを作りたければまた1から新しくaiで作り直さなければならなかったり。そうしたところは早急に改善していきたいですね。
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ひたすら土台づくりに力を注いだ1年間
音部:いま話した課題に対して、この1年間では、デザイナーがやるべきことをスピ―ディーに行うための土台作りをしてきました。具体的には、デザインチームの整理とデザインシステムの整備です。
チームの整理に関しては、社内のメンバーがデザイナーに何かを依頼したいときのフローを作りました。どの部署からでも依頼してもらえるよう、Jiraを使ったチケット管理と、それに対する依頼、レビューの方法などを整理したんです。
デザインシステムに関しては、先ほど話したようにスピード感と統一性の側面で大きな課題を感じていました。その改善に向けて、まずはカスタマーが利用するPark Directのサイトのデザインを、すべてマスターとしてデザインファイルに起こすところから取り掛かりました。
ただ、見た目に統一感がなかったり色がバラバラだったりする箇所があったので、既存のデザインマスターをそのままシステム化することができなかったんです。ですので、ある程度は元のPark Directの雰囲気を残しつつ、デザインを刷新するくらいの勢いでデザイン用のパーツボタンや入力インプットなどを作っていきました。
三宅:本当に、土台づくりに尽力してくれた1年でしたよね。土台作りをするまでは、その場でその場での属人的な対応が多く、タスク管理もアセット管理もほとんどできていなかった状態でした。例えば過去に作った販促資料のデザインを一部だけカスタマイズしたデザインを作らないといけないってなった時に、過去のアセットがなくて、結局ゼロからデザインし直すみたいなことが何度もあったりとか。デザインスピードがトリガーで事業のスピードが落ちないかといつも気を揉んでいました。それがそういうリスクを解消し、安定してデザインを提供できるようになり、さらにデザインシステムを筆頭にスピードを上げられ始めたのは本当に良かったなと思っています。
音部:そうですね。ただ課題解決に向けての取り組みは進めてきましたが、オファーレターでもいただいていた、「デザインから事業のトップラインを上げる」という期待にはまだまだ応えられていません。正直に言うと、そこに取り組める状態ではなかったんです。
土台づくりに取り組むことで精一杯だったのもありますし、グロースチームの開発アジェンダ実行のためなど、デザイナーから提案したモノではないデザインタスクがかなりあったんです。そのタスクをスピーディーに捌けるような体制がまだなかったので、デザイナー発信で能動的に事業のトップラインを上げるような動きはできなかったというのが率直な感想ですね。
三宅:確かに土台づくりに終始したとは思うけれど、それが悪いわけでは決してなくて。音部君が土台を作ってくれたからこそ、次のフェーズに進む基礎が固まったと思うんです。これ以上の動きをするためには、音部君と一緒に動いてくれる仲間が必要ですよね。
音部:そうですね。土台ができたとしても、課題やデザイナーに来る依頼の量はどんどん増えていきます。その課題や依頼に対応しつつ、デザインで事業のトップラインを上げられるように、一緒に動いてくれる人がほしいなと思っています。
新しいメンバーがきてくれたら、課題を分担して捌きつつ、稼働の30~40%を能動的に課題を発見していく方向にシフトしたいですね。たとえばユーザーインタビューをしてPark Directの使いづらいところを改善したり、社内のSlackの「デザイン言いたい放題」チャンネルに集まっている依頼や意見に対応していく動きを進めたりしたいと考えています。
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グラフィックに関しては、クライアント向けのチラシに関して似ている要素を共通化して、デザインシステムのチラシ版である「チラシシステム」のような最適化をしていきたいですね。
三宅:いま音部君が言ってくれたことは、私も一緒にやっていきたいと思っています。事業を成長させるためにどの課題に取り組むべきかを、デザイナー自身が見つけられるようになる。そのためにもデザイナーが、プロダクトだけではなくセールスやサクセスなど事業側にもっと染み出していきたいですね。
音部君も、自分の理解を上げるために業務体験がしたいと言ってくれているし、実際に月末の追い込みのためにヘルプで沖縄に飛んでくれたこともありました。デザインに直接関係するかはわからないけれど、ビジネスを体験することで解像度が上がり、自分で課題を見つけられるようになると思うんです。こうした取り組みを通じて、「デザイナーが関わることで事業が成長した」という成功体験を数多く生み出していきたいですね。
issueドリブンなデザインワークに、共に挑戦しましょう
三宅:今回お話したように、ニーリーはこれまでデザインに関してあまりパワーをかけてこられませんでした。だからこそ、これからデザインに力を入れることで事業が伸びる可能性が大いに広がっていると考えています。
ニーリーのプロダクト組織の魅力の1つである「issueドリブンな開発」にも通じるように、「事業を伸ばす」というissueから、デザインのアジェンダを自ら設定して動いていけるデザイナーさんと一緒に働ければいいなと思っています。
音部:僕も同じで、情報を積極的にキャッチアップして、デザイナーに何ができるのかを見つけ出し、それに対して改善を思考できる人と一緒にやっていけると嬉しいです。
ニーリーのデザインチームは、まだ社員は僕だけです。デザインチームとしてどのように動くのか、チームのあり方やデザイナーの体制を構築するところから興味を持ってもらえる人であれば、よりありがたいと思っています。
もうすこしハードスキルに寄った話をすると、まずはSaaS等でアプリケーションのUIデザインの経験がある方、というのが必要な条件にはなるかと思います。それに加えてPark Directという事業の性質上、複雑な業務や要件、ドメイン知識をキャッチアップしてデザインに落とし込むことができるような経験があることも重要かなと。
あとは、先ほど挙げたような「デザイナーが事業のトップラインを上げる」ために、UX調査や改善といった、UXデザインへのアプローチを行っていきたいです。なのでこのあたりの経験が深い人だとより嬉しい(自分がこの辺りそこまで経験値が多くないので)と思っています。
欲をいうのであれば自分の苦手なグラフィック領域の一部の業務(業務委託さんのディレクションなど)に長けていると最高ですね。
三宅:ニーリーのデザインチームはまだまだ0→1に近い状態ですが、音部君が1年間かけて土台を築き上げてきてくれました。その土台があるからこそ、これからアグレッシブなチャレンジをやっていける環境だと思っています。
今までのニーリーでは要求されたビジュアルをデザインする、に留まってしまいがちでしたが、デザインのパワーってもっとあると思ってるんですよね。今ないモノをデザインしたり、もっといいデザインをしたりすることで、事業KPIを伸ばしたり、魅力的なメンバーにニーリーのことを興味持っていただいたりとか色々とやれることがあると思っています。
また、昨今のAI技術の進化はすさまじくデザイナーが高速でプロダクトを作れる環境になってきていると思います。今期は新規プロダクトを何個も作っていこうと思っているので、デザイナーが爆速で新規プロダクトの0→1を作るとかそういうチャレンジもしていきたいなと思っています!
少しでも興味を持っていただけたら、是非気軽にお声がけしてください!!
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