イチから理想のQAを目指してニーリーへ入社【入社エントリ】関井祐介
はじめまして。2023年1月より株式会社ニーリーにQAエンジニアとして入社した関井 祐介(せきい ゆうすけ)です。入社してから半年以上が経ち、ニーリーで働く中で感じたことやQAエンジニアの業務ついてお伝えしたいと思います。
これまでの経歴~QAエンジニアという仕事との出会い~
大学では経営工学を専攻していたのですが、その専攻の講義の一つにソフトウェア工学の講義があり、そこでソフトウェアテストと出会ったのがQAエンジニアを目指すきっかけになりました。
情報学系の学科ではあったものの、あまりプログラミングには興味を持てず、ソフトウェア開発からは距離がある学生生活を送っていたのですが、この出会いで一気にソフトウェア開発に興味関心を持つようになりました。
ソフトウェアテストは単に機能を確認するだけの作業ではなく、仕様書に書かれていないテスト観点を考えたり、MECEにテスト観点を整理したりなど、創造的な作業です。この講義を受けていなければ今頃は他の仕事をしていたと思います。
また、これをきっかけに大学の研究室ではソフトウェアテストの研究を行いました。大学院でも同様にソフトウェア工学の研究を行う予定だったのですが、特殊な研究室だったこともあり、ソフトウェア工学とは異なる研究を行っていました。ただ、新卒の就職活動では、QAエンジニアになりたいという思いがあったので、そのような軸で就職活動を行っていました。
当時はQAエンジニアを新卒採用している企業は少なく、あまり選べる状況ではありませんでしたが、何とか希望通りQAエンジニア枠で半導体メーカーへ就職することができました。品質保証部門に配属され、その後約6年間組み込みソフトウェアを中心とした製品の品質保証に従事しました。ソフトウェアテスト以外にも不具合分析やテストプロセス改善など、実際の業務でしか経験ができないようなこともやらせてもらえたので、若いうちからそういった経験ができたことは良かったと思います。
ニーリーに入社した理由~QAの立ち上げが決め手~
私が転職を考えるきっかけはいくつかありましたが、一番のきっかけはリリースサイクルの長さでした。前職で担当していた製品には車載製品が多くあり、リリースまでに2〜3年掛かることがよくありました。また、リリースと言っても、車両メーカーへの納品が2〜3年であり、そこから車両メーカーが他の部品を組み合わせて完成車として市場に出るまでにはさらに1年くらい掛かることもあったので、自分が担当した製品が世に出るまでにかなりの年月が経っており、完成した実感を得られにくいと感じていました。
近年はアジャイル開発が主流であり、車載製品のように品質を完璧に作り上げてからリリースするよりも、速くリリースしてフィードバックを受けながらプロダクトを磨いていく方が自分に合っているかと思い、転職活動ではそのようなスピード感のある会社を中心に応募しました。
他の転職軸としては、「直感的に面白い、将来性があるプロダクトだと思えること」がありました。
非常に抽象的な軸ですが、自分のキャリアでは”直感”を大事にしてきたこともあり、重要なポイントでした。前職ではプロジェクトベースで開発をしていたので終わりがありましたが、プロダクト開発には終わりがないため、長く関わることになるのであれば絶対に面白いプロダクトに関わりたいという気持ちが強かったです。
ニーリーでは「Park Direct(パークダイレクト)」という駐車場の貸主・借主に向けたプロダクトを提供していますが、事業内容を初めて聞いた時はこれまで車を持ったことがなく、駐車場を借りたこともなかったので、「駐車場」というドメインを身近に感じられず一度スルーしてしまいました。しかし、エージェントからの説明やカジュアル面談などで、借主データを活用して他の事業への展開ができる可能性があることや、EV関連の実証実験が行われていることを知り、今後の展望を含めて魅力を感じたため、選考に進むことを決めました。
ニーリーへの入社の決め手は「QAの立ち上げに関われること」でした。これまでは大きな企業の中のイチQAエンジニアとしてすでに決まったプロセスに則って業務を行うことが多かったのですが、転職活動を行う中で、一から自分が考える理想のQAを目指したいという思いが生まれてきました。ニーリーでは裁量を持って、品質に関するプロセスやルールを決めるところから関わることができると思い、これが決め手になりました。
少し前からいわゆる「1人目QAエンジニア」が流行っていたように感じますが、その流行りもあってか転職活動していた時期はあまりQA立ち上げフェーズの企業がなかったように思います。さらにその中で自分が面白く将来性があると感じられるプロダクトとなるとほぼありませんでした。その中でニーリーを見つけられたのは幸運だったのかもしれません。
現在のQAチームの体制と業務
ニーリーでは、2022年3月に1人目のQAが参画し、そこから約1年間1名QA体制の時代が続きました。私が入社してから、2023年2月にQAチームが発足し3名体制になり、現在では5名にまでメンバーが増えました。
チーム発足当初から業務内容も結構変わっていますが、最新の状況をお伝えできればと思います。
現在、QAチームは開発チームから独立しており、開発は開発でテストを実施し、QAはQAでテストを実施しているような状況です。また、チームによっても関わり方が異なっており、あるチームではQAがテスト設計とテスト実施を行い、別のチームでは、開発者が作成したテストのレビューと探索的テストの実施をQAが行うといった関わり方をしています。
各チームによってQAが必要とされる工程やスキルが異なるため、今後はそれに応えられるようなチームづくりも必要になってくると思います。
また、これまでは独立したQAチームとして活動していましたが、メンバーの増加に伴い開発チームの一員としてQAを行うスタイルを取り入れ始めました。今後は開発チームの中からもQAとしてシフトレフトの推進などを行えればと思っています。
QAチームとして発足してからはバグレベルの定義や品質指標の策定など、開発組織としての品質に関するルールづくりも行っています。
また、品質の状況を把握し、それに応じた施策の実行なども行っています。直近では、品質の目安として変更障害率を測定しており、これがGoogleにおけるFour Keysの基準でEliteラインを維持できていることから、品質が下がらない程度にテストを緩めてアジリティを高められるようなアクションを取るなどの判断をしています(図1)。今後は変更障害率以外にも指標を取り、総合的に品質やアジリティを高めていけるようチャレンジしていく予定です。
他には、開発組織全体としてドメイン知識のキャッチアップに課題を抱えており、それをQAが主導してドメイン知識をまとめたり、また、手動でのリグレッションテストの負荷を下げるためにAutifyを用いた自動テストのカバレッジ向上なども行っています。
ニーリーに入社して感じた、QAと開発の協力関係
ニーリーに入社し、まず感じたことは思っていた以上にプロダクト品質が高いことでした。
入社前のイメージとしては、ニーリーはスタートアップ企業であるため、品質よりもアジリティを優先して、日常的に細かい不具合などがポロポロと出ているのではないかと思っていました。実際には不具合も思ったほど多くなく、致命的な不具合もあまり出ていないという状況でした。事業フェーズを考えると、ここまで品質を高く維持できている企業は多くないと思います。
ただ、品質を高く維持できている大きな理由として、今はまだプロダクトに詳しいメンバーが属人的に品質を保証しているという点があります。品質が高いからそれで良いわけではなく、仮に詳しいメンバーが抜けてしまうと品質を維持できなくなってしまうリスクもあるので、QAとしてはそうならないように体系的、組織的に品質を保証できるよう仕組みづくりを行っていく必要があると考えています。
また、入社してしばらく経った後に感じた点として、変化への抵抗が少ないことがあります。
QAチーム発足後、何度かテストプロセスの変更を行いました。その度に開発チームへ展開をするのですが、特に反発を受けたということがありません。過去には、良かれと思ってプロセスを提案しても、なかなか自分たちの仕事のやり方に影響があるようなプロセスは受け入れてもらえず、導入に苦戦することもありました。その点、ニーリーの開発メンバーは柔軟な考えを持っている方が多く、やり方が変わるとしても良いと思ったことは取り入れるといった文化があるのかと思います。
たまに、QA vs. 開発のような構図になる組織もありますが、ニーリーではQAと開発が一緒に品質やアジリティの向上を目指せるような協力的な関係を築けていると思います。
それは、開発組織の3つの魅力でも語られているように”issueドリブンな開発”の文化があることが背景にあると考えています。issueドリブンで考えて、解決したい問題を開発とQAで共有できていることが良い関係性を築けている理由かと思います。
ユーザとの距離が近い開発の面白さ
ニーリーではユーザとの距離が近く、ユーザ要望がプロダクトの価値向上に直結しています。
Park Directのユーザには下記の3パターンがあります。
①と②は社外の方なのでそれなりに距離はあるのですが、③は社員なのでかなり距離が近いです。①と②に関しても、③を介して要望が挙がって来ますので、ユーザのニーズを拾いやすい環境なのではないかと思います。
ユーザと直接会話できる環境があることで、要求のズレも起こりづらく、実装された機能もユーザの課題をしっかり解決できていると思います。
QAとしては、まだユーザが近いことを活かしきれていませんが、今後は上流からのQA参画やユーザビリティの改善などで活かせたらと思っています。
品質とアジリティの両立を目指して
Park Directの開発では品質とアジリティの両立という目標を掲げています。
最近は、品質とアジリティはトレードオフではないという論調が主流かと思いますが、それを実現させるのは高いハードルを伴うと考えています。前述しましたが、Park Directはある程度品質を高く維持できている状況のため、それを維持しつつ如何にアジリティを高めていくかということが課題になっています。まだ、解は見つかっていませんが、この大きな問いをどう解いていくかはニーリーでQAを行う上で大きなやりがいがあるのではないかと思います。
QAチームはまだ発足して1年も経っていないため、チームとしてもこれからどんどん成長していくフェーズになります。品質とアジリティの両方を高めていくといった目標に向かって、日々何ができるかを考え、やれることは何でもやっていきたいです。
開発組織が大きくなって行く中で、QAエンジニアはもちろん、SET(Software Engineer in Test)の力も必要になってきています。プロダクト、チームともに成長している組織で自身も成長していきたいと考えている方はぜひ一緒に働きましょう!
株式会社ニーリー プロダクト開発本部 プラットフォーム開発グループ
関井 祐介 Yusuke Sekii
2017年に半導体メーカーに新卒入社。車載カメラや測距センサーの信号処理SWなど、組み込み系製品を中心に品質保証を担当。また、2020年よりQA業務と並行して、UX改善やAI製品の品質保証にも従事。2023年1月に株式会社ニーリーにQAエンジニアとして入社。
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