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Park Direct誕生前後で社会の”解像度”がどう変わるか~不動産業界の課題解決とモビリティSaaSとしての可能性~

※この記事は、インタビュー内容をもとに一人称形式で編集したものです。

株式会社ニーリーの取締役兼Park Direct(パークダイレクト)の事業責任者をしています、小野田 亨(おのだ とおる)です。
弊社のミッションとして「社会の解像度を上げる」ということを掲げているのですが、主力事業のPark Directが、実際にどう”解像度”を上げているのか、改めて書いてみたいと思います。

1,解像度が高いとはどういうことか


私の経歴やニーリーに入社した理由などはこちらの記事でもお話しているのですが、ニーリーに感じた魅力のひとつとして「社会の解像度を上げる」というミッションへの共感があります。

10代から働き始めてるのですが、当時の環境では働き先の選択肢は2~3しか無いように見え、当時はそんなものかと思いましたが、今思えば10代なんて可能性のかたまりで目の前にはもっと多くの選択肢があったはずなのに、見えておらず、3つしかないのだと思い込んでいました。

そんな自身の体験もあり、「目に映っている」けど「見えていない」ことで他の可能性に気付かないのは、とてももったいないと心の底から思うようになりました。事業やサービスを通じて未来の選択肢に対する解像度を上げて視界をクリアにし、他にも可能性があるという状態に気付けることが、ミッションである「社会の解像度を上げていく」ということだと思っています。

では、事業を通じて解像度をあげるとは何か?ということを、駐車場探しの例で説明していきます。例えば車を新しく買い、家の近くの月極駐車場を探しているとします。家の周りを歩いて探して看板を見て電話をする、という従来の駐車場の探し方では、眼の前の駐車場が空いているのか?いくらで借りれるのか?という事が分からないケースが多く、更に一本裏の路地に1,000円安い駐車場があることに気づかない、ということがあったと思います。一方Park Directは現在地付近の駐車場をスマホで検索でき、契約できる駐車場をデータとして管理しているため、空き情報をリアルタイムで確認でき、オンラインで駐車場の金額も確認できるため、歩いて探さずとも家にいながら近くで一番安い駐車場を見つけることができます。

Park Directはテクノロジーの力を使って、ユーザーのよりよい選択肢が見つかるサービスを提供しており、事業を通じてユーザーの解像度をあげられると思っています。

2,Park Direct誕生前後で社会がどう変わるか


Park Directが導入される前と後の社会でどう社会の解像度が上がったのか、ユーザー体験(UX)と不動産・駐車場業界から見たビジネスとしての駐車場という2つの観点からもう少し見てみます。

ーユーザーの観点(今まで1~2週間かかっていたものが最短1日に)

これまでは、近所や通勤経路で駐車場を探し、空きの有無と賃料を確認するために看板に書いてある管理会社の電話番号に電話をする方法が多く、空きと賃料を確認したあと契約となれば不動産屋さんの窓口に行き、免許証や車検証の写しを提出して、支払いに関しては不動産屋さん指定の口座に振込をして、早くて1〜2週間後にようやく使用できる。
それぞれの手順について、電話、来店、郵送、振込など手段が限られていて選べないというのがいままでの世界でした。

Park Directでは、スマホで駐車場を検索し、空き状況と賃料を確認でき、そのまま申込をして契約も締結、クレジットカードで支払いを完了できます。最速でその日のうちから利用が可能となっております。時間や場所や手段の制約があったこれまでの状態から、ユーザーがより早くて便利な手段を選べるという選択肢が増えた状態にできたことで、世の中の駐車場探しの解像度は一段上がったのではないかと自負しております。

ただ、まだできていないこともあります。あくまで私個人の考えですが、駐車場探しにおける最悪のUXは、探している近くに駐車場がないことです。例えるならば、コンビニに行ったけれど、店の棚に商品が何もないのと同じです。Park Directで駐車場を探そうとしても、近くにないのなら、どんなに良いデザインであっても意味がありません。

いまPark Direct事業では、日本全国でご利用できる箇所を増やす動きをしております。日本のすべての駐車場の情報を載せることができたら、Park Directで探せば必ず見つけられるということになります。見つからないのなら、日本にないということです。その状態を実現するために、まず大事なのは借りられる駐車場の場所を最大限に網羅率を上げること。これが良いユーザー体験の一丁目一番地だと考えています。

ービジネスの観点(業務負荷を90%以上削減、集客力アップ)


Park Directが出来る前の世界は、車・駐車場を取り巻く世界の多くは「アナログ」でした。
例えば、東京都中央区に店舗を構える不動産会社が見えているのは自分たちが管理する近隣の駐車場のみ、もしくは中央区のいくつかの駐車場のみという、”目に見える範囲”にとどまっていました。
一方、Park Direct導入後の世界は、日本中の月極駐車場がどこにあって、そこは誰の持ち物で、空いているのか、賃料がいくらなのか、というところまで可視化できます。
この可視化できている状態というのはビジネス観点でも大きなビフォーアフターだと思います。

オンラインで可視化されると何が変わってくるかというと、賃貸物件の例で考えると分かりやすいのですが、今までは部屋を探すときは駅前の不動産屋さんの窓に貼ってあるチラシを見て、気になった物件があったら来店して契約という流れだったので、不動産会社は飲食店のようにいい場所に店舗を出すことが大事でした。これが、情報が全てオンライン上に集約されるとなると、集客の考え方が全く変わってきますよね。

また、管理業務の観点でいうと、今までは自社の棚にあるバインダーで管理している紙媒体に記載されている情報しかないため、仕方がないことといえますが、そもそも情報が正確ではない、情報に抜け漏れがある、という自社の管理駐車場でも解像度が荒い状態だったといえます。

一方、Park Directを活用すると自社の駐車場がどんな仕様か、空き状況はどうか、誰が借りているのか、どれくらいの回転率か、費用は回収できているのかなど欲しい情報を取り出すことができるようになります。
このようにビジネスの解像度が上がることに加えて、業務負荷削減では92%以上の負荷削減を実現、またデータ化される事で今までの看板等による受動的な集客から、オンラインでの検索や広告などにより能動的な集客ができるようになります。

業務負荷削減の実績

3,Park Direct事業の価値と今後の可能性

Park Directは、オンラインで契約が完結し決済ができるところが強みであり、価値があると思っています。先ほどのコンビニの例に当てはめるとすれば、以下のようなイメージです。

・棚に商品が並んでない=近くに駐車場がない
・棚に商品が並んでいるのにその場で買えない=契約できない

どこにいても駐車場が見つけられるけれど、その場で契約できないのなら、片手落ちです。棚に商品がしっかり並んでおり、かつその場で買って帰ることができる。これがPark Directが目指す世界であり、良い事業を作るということだと思います。

もう一つは、駐車場業界の分かりづらさと参入のしにくさに逆に価値があると思います。
面接の時に「なぜ、Park Directがいいと思うか」という質問を受けることがありますが、私はいつも「バカな」と「なるほど」に例える話をします。誰が聞いても、「いいですね」「なるほど」という事業は、すでに大手企業など誰かがやっています。

スタートアップが参入するべき事業は、最初に聞いた時に「駐車場?」「マーケットはあるの?」「DXの余地はあるの?」と疑問が浮かび、しっかり説明をすると誰もが「なるほど。可能性ありますね」となるものだと思っています。

大手企業は奇をてらう必要がなく、誰が考えても「なるほど」となるような事業に、資金力や組織力を活かして取り組めばいいですよね。しかしベンチャーの場合は「え?なんで?」というところにこそ可能性があると思っています。Park Directでいえば、そもそも駐車場自体に興味がある人はあまりいません。興味がある人は少ないし、業務は複雑でわかりにくい。だからこそいいと思います。

おかげ様で、Park Directも導入社数、掲載台数と共にユーザー数もかなり増えてきました。ユーザーが増えることによってできることは沢山あります。その第一弾として、Park Directにご契約いただいている方に向けたメリットとして、クーポンの特典ポータルをリリースしました。ガソリンスタンドや地域のメーカーさんなど、身近なところで使えるクーポンを配布する取り組みです。

お茶の井ヶ田様との取り組み

今後はモビリティSaaSとして、車を利用するユーザーも駐車場を管理するクライアントも協力企業も、Park Directに関わる方が、あってよかった!となるようなサービスをどんどん拡げていきたいですね。

解像度の高い事業を通じて利用者の解像度を上げる事ができると、少しずつ社会の解像度も上がる、そう考えています。

ニーリーでは、事業拡大に伴う組織強化のため、多様な職種で⼈材を募集しております。
詳しくは、採用特設サイトをご覧ください。
採用特設サイト:https://jobs.nealle.com/

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株式会社ニーリー 取締役兼Park Direct事業責任者
小野田 亨 Toru Onoda
2005年システム開発会社へ入社、金融系システム中心にSEからPMまでを経験。2012年ヤフーの金融子会社(ワイジェイFX)に入社、2013年にシステム部マネージャー、2015年に執行役員へ。2018年証券事業を立ち上げ、その事業責任者として従事。2019年ヤフー株式会社へ転籍、事業推進部長に就任。月間10億PVを誇るヤフーファイナンス及び、金融メディアの責任者を担当。2020年金融メディアの複数事業を立ち上げ、お金の比較サービスでは立ち上げ2年で日本一の規模に拡大。2021年11月よりニーリーに参画。