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職業訓練校出身のテックリードはどこからニーリーへきて、そしてどこへ ~機能以外全部開発~

はじめまして、2024年3月1日にニーリーにテックリードとして入社しました、佐古秀和(さこひでかず)です。主にアプリケーションの基盤設計開発を担当しています。

今まで入社退社エントリの類には縁がなかったのですが、今回はお声がけいただいたこともあり、ひとくさり書き残しておきます。

これまでの経歴とニーリーに入社した理由

職業訓練校

20代も終わり近くまではのんべんだらりんと過ごしていて(経歴的には)特筆に値しないのでそれ以降について。漠然と開発系業務に携わりたいと思っていた時分、たまたま職業訓練校の募集記事を見かけて応募するも1度不合格となり、なんとか2度目の試験で滑り込むことに成功しました。順調に訓練を進め、翌春からSES所属としてエンジニアキャリアをスタートさせました。

SES時代(5年半)

この期間はとにかく大きく歴史のあるプロダクトに携わる業務が中心で、自然生の"歴史的経緯"に触れる機会が豊富にありました。そんな中で、もともとの貪欲で不平屋の性分もあり「可能な限り実装と設計を整理したい、たとえ泥臭い方法であっても」という思いが強くなり、さまざまな改善や提案を始めるようになりました。さらに試行錯誤のうち「そもそも開発や業務のあり方を設計していかないと目的は達成できない。もし、自社プロダクトであればさらに裁量が得られるだろうか」というアイデアが出てきたこと、またリーダー業務の比率が大きくなりつつあり、実装から離れる気配を感じたことから「自社プロダクトにスペシャリストとして携わるキャリア」について考えるようになり、次のフェーズに進みました。

自社プロダクト開発時代(継続中)

ルール
そうして自社プロダクトを持つ企業に勤務するようになりましたが、このとき最初から一つのルールを定めていました。すなわち「開発者が苦労していそうな会社を選ぶ」ことです。要はヘラクレスの選択+鶏口牛後の発想で、「困難な状況でなければポジティブインパクトが出しにくいしスキルも伸ばしにくいだろう」という推測が大本になっています。また、実装と設計が未整理で直接困るのは開発チームなので、「まずは開発チームにサーブする」開発者でありたいというスタンスを示し、おおむね各社でそれを受け入れてもらうことができました。

大変なこと
このルール自体は現在も有効なのですが、当初見落としていた点もあって色々と苦労もしています。コンウェイの法則からもある程度予想がつくことではあるのですが、「開発が大変な会社は事業的にも困難に直面している」ケースが多々あり、この困難の質を見誤ると入社当初に取り組もうとしていたテーマの維持が不可能になったり、そもそも会社の経営状態が悪化して改善の余裕がなくなったりして日々の業務に追い回されたり待遇面での問題が出たりなど、なかなかマズい状況に追い込まれることもしばしばありました。転職頻度も上がりましたが、理由はほぼすべて「会社の状況が変化したのでキャリア上の軌道修正を行うため」でした。

よかったこと
ただ、転職の度にキャリア設計のメンテナンスを重ね、またそれを口に出して説明する機会を多く得たことで「自分がどうなっていきたいか」の解像度を素早く上げ「リファクタ・リアーキ・メンタリングを中心に据えたい」という現在の志向をはっきり持つことができているのは大きなアドバンテージであるとも考えています。また、好きに決めた志向なので意外に感じているのですが、各所のフィードバックによれば既存プロダクトの非機能的改善をメインテーマにしたがる人は少ない(ので欲しい)ということで、自身の価値的成長につながるニッチの匂いを嗅ぎつけてもいます。

ニーリーに入社した理由

当時所属していた会社でも急速で大きな状況の変化があり、またもや "軌道修正”の必要が出てきました。今回の転職においては、先に挙げたルールを踏まえ、待遇面以外では以下のような基準を決めていました。

  • 解決すべき技術的課題の存在

  • 技術的課題に対する危機感を会社の意思決定層が共有していること

  • 情報の非対称性を作り出したり、社外に負担をかけて稼いでいないこと

その中で、お声がけいただいた約10社のうち一つがニーリーでした。

  • 解決すべき技術的課題の存在

コミュニケーションを取り始めた前後は「ビジネスも順調どころか急成長中で、特に解決すべき内部課題もないのでは?」というのが率直な感想だったのですが、開発の方々とお話しする機会を多く(後述)いただくうちに分かりにくい「未病」の存在が見えてきて、「未病 × 急成長 = 近い将来の深刻な課題」の式が立ちました。この時の共有はかなり突っ込んだ内容で、素直になんとかしたいのだなという思いを受けとりました。

  • 技術的課題に対する危機感を会社の意思決定層が共有していること

そうなると次は、その危機感を意思決定層までが共有しているのかということが気になってきます。よくある「設計上の無理をbizサイドが自分事化(逆は常に求められる)できるか」問題ですね。別に前漢の文帝が右丞相周勃に尋ねたような細かい実務レベルの話は全く不要ですが、少なくとも気にしているか、吸い上げるつもりはあるか、ということで、役員社長レベルまで「開発の内部課題に関する意識」を直接尋ねて、満足する回答を得られました(この類の質問は転職活動中の方には結構おすすめです。嫌がる人はいるでしょうがそれ自体がメタ情報ですね)。

  • 情報の非対称性を作り出したり、社外に負担をかけて稼いでいないこと

私自身はプロダクトの機能要件部分にそこまで深くコミットするタイプのエンジニアではないのですが、とはいえエンドユーザーや全くの他人を怒らせたり泣かせたりして稼いでいる商売の片棒を担ぐつもりは全くないので、「関係する人間全員を楽にしたり得をさせる」ことの対価を得られるシステムになっているか、ということは明示的に確認しました。ニーリーでは端的に言えば人間に楽をさせる事が業務の中心であり、その点に関して不安はありませんでした。

圧倒的なコミュニケーション量
特筆すべきはこの点でしょうか。面接3回に対して同等以上の面談と、更に倍くらいの会話と、とにかくコミュニケーションを積極的にとって情報交換や疑問点の解決をしようというスタンスが目立ちました(人事の海老原さん、その節は大変お世話になりました)。

最終判断
もう一社、已病を抱えた会社からの内定もあり非常に悩んだのですが、最終的に「開発チームが急拡大中(技術面からのサポートや文化醸成の余地が大きい)」、「将来的な課題の総量が多そう」で「採用への温度感が高い」ニーリーへの入社を決めました。

余談
スキルセット自体のマッチ度は今回ほとんど意識しませんでしたが、将来に向けて野望なり陰謀なりはあります。

現在の担当業務とニーリーでの開発

現在の担当業務

現在担当している業務は主に二つあります。ともに影響範囲が広く、かつ今後の開発スピードにも貢献しうる内容なので楽しんで取り組んでいます。

1.トレーサビリティ向上

業務・開発両面での操作全般にトレーサビリティを付与するための機能横断的なロギング機構の構想・構築を進めています。投入がかなえばオペレーション・調査負荷の軽減が図れるので、内部改善としてはbizサイドにもポジティブインパクトの大きい開発です。

2.継続的ユーザー機能強化のための設計

ユーザー機能強化や利便性向上のための開発を機会に、それを実現しかつ今後も拡張していくための業務中心的なモデル設計を行い、漸進的に投入していく計画を立てています。実装のbusiness-centric化は部分的に始まっている状況で、まだまだこれから本格化させていくための改善の余地が大いにあり、実に取り組み甲斐のあるテーマになっています。

ニーリーに入社しての所感

分かりやすくビジネスが勝ちに向かっているので精神的に安全
いままで所属してきた会社と比較すると急成長中なこともあって月一回の全社会の報告内容が目標達成率やその内容など実に景気よく、安心して職務に集中できる点が一番印象的です。もちろんそういった成長は技術課題をもたらすので、それを解決していく楽しみも期待できます。

ニーリーでのこれからの目標


1. 価値を高める
まずはプロダクトの成長がビジネスの成長に落伍することのないように技術課題のハード的解決を行うことを中心に、開発内部のトイルやペインの軽減を行うための各種開発を行いたいと考えています。合わせて開発組織全体のアウトプットを上げるための支援を行い、「なんとなく開発全体の調子がいい」状態を作るのが目標です。

2. 価値を下げる
加えて、次第にそういった開発の成果物や過程の展開、トランスファー、あるいは枠組み化や文化醸成を業務の中心に据え、ソフト的に解決への道筋をつけることで、今度は自身の価値をニアゼロまで下げられる見通しが立つところまで進めることができれば、晴れてミッション完了を宣言できると期待しています。キャリアの中でそこまでやり遂げたことがまだないので、今度こそはという思いがあります。

最後に

ニーリーでの開発の面白み・すすめ

開発組織もプロダクトも拡張を進めている中で、それに横串を通すような開発や、コミュニケーション、開発文化を生み出す必要がでてきているタイミングです。仕組みづくりや基盤実装などの余地が大いにある点が私にとっては一番面白いポイントで、テックリードとはいうもののEMやVPoEの担当するような分野にも手を出しています。自分がうまくプロダクト開発をもっと素早く安全に回せるようにするんだという思いがありながら、そのチャンスに恵まれていない方はお手を挙げていただけると、スペシャリスト・マネージャーともに楽しめるのではないでしょうか。


株式会社ニーリー プロダクト統括本部 ビジネスディベロップメント本部 ビジネスディベロップメントG
佐古 秀和 Hidekazu sako

東京都立中央・城北職業能力開発センター ネットワークプログラミング学科を修了後、SESエンジニアとして5年半勤務、レガシーと戦う為の基礎体力を養う。実装業務の継続と組織・プロダクトに対する裁量を求めて大小のベンチャー企業で修行の旅を始め、テックリードやメンターの経験を経て目標とする専門分野をバックエンド中心のリファクタ・リアーキ・メンタリングと決める。2024年3月より株式会社ニーリーに入社。

ニーリーでは、事業拡大に伴う組織強化のため、多様な職種で⼈材を募集しております。
詳しくは、採用特設サイトをご覧ください。
採用特設サイト:https://jobs.nealle.com/

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