開発・CS・営業を経験した自分がニーリーのPdMで挑戦する「重心」とは〜多様なオペレーションをプロダクト開発に落とし込む〜
はじめまして、Park Direct(パークダイレクト)のPdMとして入社した中山昴(なかやますばる)です。
新卒でシステムエンジニア職として入社し、設計や開発、PM、そして営業、CSなど幅広い仕事を経験してきました。これまでの経験を活かし、ニーリーではPdMにチャレンジしています。複雑なオペレーションをプロダクト開発や機能に落とし込み、顧客の体験価値を上げるこの仕事に、大きなやりがいを感じています。
今回はこれまでの経歴やニーリーに入社した理由、PdMとしてニーリーで今後取り組みたいことについてお話しします。
これまでのキャリア:システム開発とビジネス(営業・CS)の両方を経験
エンジニア・PMとしての経験
大学が情報系の学部で、元々ソフトウェア開発に興味があったため、新卒入社の会社は一から体系的に学べる日系SIer企業を選びました。そこでソフトウェア開発の上流から下流までを経験した後、外資系SIer企業に転職し、プロダクト全体を統括するPMの役割を担いました。
PMとして担当したのは、全国に店舗がある大手アパレル企業のPOSシステムです。導入台数も2,000台近くあったため、毎週何かしらの問い合わせ(ハードウェアが壊れた、思った通りに画面操作ができない、など)が自分宛に届いては、対応するという忙しい毎日を過ごしていました。
フロントに立ってお客様と接した結果、自社プロダクトに対する評価(満足している点、改善して欲しい点)を直接知ることができましたし、改善要望はその後のお客様への提案活動、そして開発要望へと繋げることができ、良いサイクルが回せていたことが自分にとって自信になりましたね。その一方で、自分自身が開発する機会はほとんどなく、技術の進化が速いこの業界において、技術面で遅れているのではないかという懸念もありました。
そこで次に入社したのが、無人決済店舗のソリューションを提供しているスタートアップ企業でした。ここでは、自分で開発をしながらも、お客様と接点を持つことができる、まさに自分が求めていた環境でした。初のスタートアップ企業でしたが、前職と同じく小売系のビジネスでドメイン知識はそのまま活用できましたし、経営者もエンジニアもマネージャーも関係なくフラットな文化だったので、早くから馴染むことができました。
朝5時前に障害アラートの電話が鳴り、始発電車に乗って店舗に行き、営業開始前までに障害対応をしなければならないなど、大変なことも多かったですが、スタートアップらしいカオスな環境が当時の自分にとっては新鮮で楽しかったです。入社当初は、導入店舗が自社店舗の1つだけでしたが、その後1年間で急拡大し、他社・多店舗にも導入されました。会社の成長と自身の成長を身をもって体感でき、非常に有意義な時間でした。
事業サイドの経験
事業が急成長した一方で、仮説検証のフェーズは終わり、再現性高く事業を拡大していくフェーズに移り変わろうとしていました。今後の自分のためにも、もう少しカオスな環境下での経験を積みたいと思い、イスラエルに開発拠点を置く、サイバーセキュリティ領域のスタートアップ企業に移り、営業とCSを担当していました。
ビジネスサイドの経験はほとんどなかったのですが、お客様側のフロントとなる部門が情報システム部門やセキュリティ部門で、担当者や決裁者が元々SEやエンジニアをされていた方が多く、共通言語で会話ができたのが救いでした。
営業活動の中で「プロダクトのこの機能は刺さっていないなぁ」「こんな機能があれば売れるだろうなぁ」ということを薄々と感じていました。開発チームにフィードバックはしていたものの、中々改善は進まず、悩む日々が続いていました。
考え抜いた結果、「何を作るのかを決める人」は、開発も事業も両方ある程度のことは知っている必要がある、という結論に至りました。作った機能が、誰に、どのように使われるのかを事前に想定した上で作らないと結局は使われなかったり、逆に不満を生む結果となってしまいます。そうならないためには、プロダクトを使う側の習慣や、その人たちの業界・業務の理解度が非常に重要だと感じましたし、開発と事業部の両方を経験した自分なら、その役割が務まるのではないか?と、PdMをやってみたいと思いました。
ニーリーへ入社した理由:PdMとして、CS職でのオペレーションと開発の双方を活かせそうなプロダクト
当時のPdMといえば、どちらか一方の経験しかしていない(事業側しか知らない or 開発しか知らない)印象で、開発内容が顧客に刺さらない事象が発生していたように思います。自分もCSでOpsを担当し、顧客の声を開発側に伝える責務はあったものの、何を開発するのか自体を決める権限はありませんでした。Opsをやることで、顧客の解像度が高くなるし、そうすればより良い機能に繋げることができる。その両方ができるPdMとして働いていきたいと思っていました。
その中でも、ニーリーでPdMをやってみたいと思った理由は以下の点です。
・複雑性がむしろ面白い
ニーリーはビジネス上のステークホルダーが非常に多く、難しい仕組みを持つプロダクトで、その分PdMとしてのやりがいがありそうだと感じました。ステークホルダーが多くなればなるほど、いつ・誰の・どの課題を解決するのか、を決めるのが難しいと思っています。その上で重要なのは、「重心」を見抜くことで、「重心」とは、例えばA~Eのステークホルダー全てにとってメリットを生み出せる開発です。「重心」がどこにあるのかを見極めて、「重心」を改善していくことで、適切なリソース配分、そしてステークホルダー全員の課題解決に繋がります。口で言うのは簡単ですが(笑)、実際にやるのは非常に難しく、その難易度の高さがむしろ面白い部分です。
さらに、難しいプロダクトな分参入障壁が高く、今後もマーケットで優位性を維持できそうだとも感じました。
・業務内容の領域が広い
転職先をいくつか探す中で、開発の一部分だけを担当するPdMもありましたが、ニーリーは業務範囲や担当領域が広く、さまざまな領域に挑戦できそうなのが魅力的でした。
例えば、Park DirectはBtoBtoCのサービスなので、PdMが介在する領域としては「借主様向けのサービス領域」「クライアント様向けのサービス領域」、そして「インハウス向けのサービス領域」の3つがあります。それぞれのユーザーの性質が異なることに加え、一つのプロダクトとしてプロセスで繋がっているので、結局は全ての領域についてある程度理解度を深めなければサービス全体の体験価値の向上には繋がりません。必然的に幅広い業務理解度が求められるのですが、理解度を深めることによって、価値体験の向上に繋げられるので、その点に面白さを感じました。
また、月極駐車場はあくまで広大なモビリティ業界の一部であり、今後はユーザーのサービス体験価値を高める上で様々な領域にチャレンジができると感じております。もちろん、どの領域に挑戦することが、結果的にユーザーの体験価値向上に繋がるのかの見極めは重要ですが、そのために日々、ユーザー側の業務の解像度を高めようと勤しんでいます。
・課題解像度の高さ
スタートアップあるあるとして、壮大な夢を描きすぎて、足元が見えなくなることがあると思います。しかしニーリーは、壮大な夢を描きつつも、足元の課題の解像度も高く、今やるべきことをしっかり見据えている印象でした。地に足を付けているのが好印象で、今後もしっかり成長していきそうだと感じ、自分の性格ともマッチしていると思いました。
・プラス、働きやすさ
フルリモートの環境で、子育て中の方も多い中、皆さんがバリバリ活躍していて、会社も成長している。自分も子育てしながら仕事もがっつりできそうだと思えたし、会社全体がすごく素敵な雰囲気だなと感じました。
現在の担当業務:PdMとして活躍するために、オペレーションを経験
現在は、プロダクト統括本部のプロダクトグロースGとペイメントGに所属しています。
プロダクトグロースGでは、PdMとして開発の優先順位を決め、仕様をつくるのが仕事です。そのためには、業務内容を理解しなければなりません。代表の養太さんからも「業務をしっかり理解した上で、開発の優先順位を決めてほしい」といわれています。そこで今はPark Directのお金周りの業務を担当するペイメントGに所属して、実際の業務を担当し、まずは送金周りの知識を身に付けています。
ペイメントGは2つの部署があり、CSPayは借主向けの返金対応や、社内のカスタマーサクセス(借主向けコールセンター)/サクセスセンター(クライアント向けコールセンター)からのお金・契約周りの問い合わせ対応などが主な業務です。一方、CLPayは毎月月末のクライアントへの送金作業と請求書送付対応が中心。私は全体の業務を少しずつ担当し、月ごとにテーマを変えながらオペレーションの対応をしています。
また、ペイメントG全体の生産性向上も私のミッションの一つです。業務効率を計測したり、開発要望を整理して各Qごとの開発内容を検討したりしています。というのも、成長中のニーリーでは、導入社数や契約数の増加に伴って、作業量もどんどん増えていて、必要なツールが移り変わることも少なく無いからです。今のフェーズを考慮しながら、いかに業務を自動化して効率化するかも大きな課題です。
とはいえ、業務が複雑な分、自動化も簡単ではありません。たとえば「消込(けしこみ)」。売掛金や買掛金などの債権・債務の勘定科目の残高を消していく作業ですが、ニーリーでは決済手段が複数あってそれぞれ決済日が異なったり、明細と入金の単位が必ずしも一致しないケースがあったりと、一筋縄ではいかないケースが多いです。それらをどうすれば改善できるのか、日々検討しています。
業務を改善するにしても、オペレーションが細かく行程ごとに分かれているため、自分の所属部署だけ改善してもだめで、フロントの前工程から後工程まで一貫して改善しないと意味がありません。例えば営業目線で考えてみるとか、あらゆる人の立場を想像しながら改善を検討・実施しています。
ニーリーの魅力:長期的なお客様のメリットを見据えたKPI設定
入社してさらに、ニーリーが好きになりました。以前からPMFを達成していることは知っていたものの、ニーリーに入社して、Park Directがいかにお客様から求められているかを強く感じました。実際に導入いただいているお客様からの感謝の声を半年に一回のキックオフミーティングなどで聞く機会があるので、モチベーションも上がりますね。
また、データドリブンで経営陣の意思決定が非常にロジカルで柔軟なのも魅力です。たとえば組織構成を変えた際の戦略も非常にロジカルで納得しやすいものでした。特に、KPI設定が絶妙です。SaaSのセールスなどフロント部門では、クライアントの受注数や契約数にKPIを置く企業が多いですが、ニーリーではクライアントにPark Directをご活用いただけるかという点を追及し、後工程も意識したKPIを設定しています。単に契約を受注して終わりではなく、徹底的に活用いただきたい。そのために各チームが何を目指すのか、というメッセージを感じます。KPIに沿った形で組織ができていると思います。
今後の目標:複数の視点から、よりよい解決策を導いていく
不動産管理会社、借主、社内など、複数のステークホルダーが使うプロダクトでどんな機能をつくるかを考えるのは、やはり大変です。ポジションにより使い方も異なりますし、全員が満足する解決策を実施することはそう簡単でありません。そんな時に養太さんとはよく「AかBか、二元論ではなく、Aダッシュを考えよう」と話します。思考が柔軟で、自分もそのフラットな目線を鍛えられています。私の強みは、営業やCSのオペレーションと、プロダクト開発の両方の経験があること。それぞれの考えをくみ取りながら、優先度を決められるのは大きな強みだと思っています。多様な視点をもちながら、AとB、二元論で考えるのではなく、AダッシュやCを見つけていく。そのプロセスを通じて、よりよい開発を進めていければと思います。
今後の目標は、プロダクトの優先順位を決める際に必要な要素をさらに定量化し、開発した機能がユーザーの価値向上に繋がる確率をより高めていくための仕組みを作っていくことです。
これまでのフェーズでは、事業を伸ばしていくために「何を開発するか」は割と明確だったので、開発すればするほどプロダクトが伸びてきたと思います。今後プロダクトが成熟していくと「何を開発するか」を決める判断が、事業成長していく上でより重要になってくるフェーズが訪れると思っています。理想は百発百中、開発した機能が事業成長に直接影響を与えられるよう、組織として、その確率を高められるかどうかが重要だと思っています。そのための仕組みを整えていき、継続的な事業成長の支えとなっていきたいです。
また、今後Park Directは、新規事業も広がっていく可能性があるプロダクトです。PdMとして、その意思決定に関わっていきたいですね。ユーザーの体験価値向上に繋がる意思決定ができるPdMを目指していきたいです。
「重心」を探りながらプロダクトの改善に取り組むPdMになりたい方、一緒に働きませんか?
ニーリーのPdMは、プロダクト面だけでなく、オペレーションへの理解も重視し、自らも実務を担いながら仕事を進めていきます。ステークホルダーが多いプロダクトなので、様々なオペレーションに触れながら解決策の「重心」を考えていくのが好きな方にはマッチすると思います。
ニーリーは急成長中なので、今後プロダクトが多角化していく時に「どんなプロダクトをつくるか」の意思決定にも関わっていけるよう、今この拡大期にぜひ一緒にPdMとして働きましょう。
株式会社ニーリー
プロダクト統括本部 プロダクトグロース本部 プロダクトグロースG/ペイメントG
中山 昴 Subaru Nakayama
日系SIer、外資系SIerで、SEとして上流工程から下流工程までプログラム開発に携わった後、無人決済サービスを開発するスタートアップに入社。会社の急成長を体験する。次に、イスラエルに拠点を置くサイバーセキュリティのスタートアップに入社。営業やCSを担当する。開発サイド、ビジネスサイド両方の経験を活かしてPdMになりたいと、2024年5月にニーリーに入社。
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